在宅勤務用の通信機器を選ぶときの確認事項
在宅勤務の通信改善は、機器を買う前に「回線」と「ルーター」どちらの問題かを切り分けるのが先です。Wi-Fi 5/6/6Eの一般的な違い、有線接続という選択肢、設置場所、モバイル回線で代用する場合の確認点を整理します。
この記事の結論
- 機器を買う前に「回線が遅いのか、宅内の環境が原因か」を切り分けます
- Wi-Fiルーターの規格は、対応する端末がなければ効果が出にくい点に注意します
- ビデオ会議の安定を最優先するなら、有線接続という確実性の高い選択肢があります
- モバイル回線で代用する場合は、データ容量と生活圏の電波の確認が先です
「会議が途切れるからルーターを買い替える」の前に、原因の切り分けをすると無駄な出費を減らせます。特定の商品ではなく、確認の順番を整理します。
まず「回線」と「ルーター」の問題を切り分ける
通信の不調は、契約している回線側の問題と、ルーターや設置場所など宅内の問題に分かれます。次の手順でおおまかに切り分けられます。
- ルーターのすぐ近くで速度を測る
- 仕事をする部屋でも同じように測る
- 可能なら、PCをLANケーブルでルーターに直結して測る
近くでは速いのに仕事部屋で遅いなら、宅内の電波の問題が疑われます。ルーターの近くでも遅いなら、回線側やルーター自体の問題が疑われます。また、夜だけ遅くなる場合は回線の混雑が影響している可能性があります。時間帯を変えて測ると判断材料が増えます。
この切り分けをせずに機器だけ新しくしても、原因が回線側なら改善は見込みにくくなります。
速度の測り方
速度は、ブラウザや検索エンジンの速度測定機能で測れます。検索窓に「スピードテスト」と入れると測定機能が見つかります。測るときは、条件をそろえるのがコツです。
- 同じ端末で、他のダウンロードや動画再生を止めてから測る
- 1回で判断せず、複数回・時間帯を変えて測る
- 下り(受信)・上り(送信)・応答速度(ping)の3つを記録する
ビデオ会議は、相手の映像の受信に下り、自分の映像と音声の送信に上りを使います。応答速度は会話の遅延に影響します。下りだけでなく、上りの数値も必ず見てください。
測った速度を何と比べるか
測定した数値だけでは、足りているか判断できません。比較の基準には、業務で使うサービスの推奨値を使います。ZoomやTeamsなど主要なビデオ会議サービスは、推奨する通信速度を公式ヘルプで公表しています。自分が使うサービスの推奨値を調べ、下り・上りの測定結果と比べてください。推奨値を上回っているのに不調が続くなら、速度以外の原因を疑う判断材料になります。
Wi-Fiルーターの規格の違い
Wi-Fiには世代ごとの規格があります。一般的な違いは次のとおりです。
| 規格 | 規格名 | 一般的な特徴 |
|---|---|---|
| Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 現在も広く使われている世代 |
| Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 複数台の同時接続に強い設計 |
| Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax(6GHz帯対応) | 6GHz帯が使え、混雑の影響を受けにくい設計 |
ここで重要なのは、ルーターだけ新しくしても、PCやスマホが同じ規格に対応していなければ効果が出にくいことです。買い替えを検討する前に、手持ちの端末が対応する規格を仕様ページで確認してください。より新しい世代の規格の製品もありますが、「端末側の対応とセットで初めて効果が出る」という考え方は同じです。
また、在宅勤務で使う場合はセキュリティ面も確認しておきたい点です。暗号化方式はWPA2以上が一般的な目安とされ、新しい製品ではWPA3に対応するものが増えています。
手持ちルーターの買い替え判断
いま使っているルーターを買い替えるかは、使用年数ではなく状態で判断します。次のいずれかに当てはまるなら、買い替えを検討する段階です。
- メーカーのファームウェア更新やサポートの提供が終了している
- WPA2より古い暗号化方式しか使えない
- Wi-Fi 5より前の規格にしか対応していない
- 有線で直結すると速いのに、Wi-Fi接続だけ極端に遅い
サポートの状況は、本体ラベルの型番でメーカーのサポートページを検索すると確認できます。どれにも当てはまらないなら、設置場所の見直しや有線接続を先に試す価値があります。
有線接続という選択肢
ビデオ会議の安定を最優先するなら、LANケーブルでの有線接続が確実性の高い方法です。電波の混雑や間取りの影響を受けにくく、機器の買い替えより安く済む場合もあります。
- ルーターに空いているLANポートがあるか確認する
- PCにLANポートがない場合は、USB接続の有線LANアダプターという一般的な選択肢がある
- LANケーブルは規格(カテゴリ)の表示を確認する。一般的な家庭用途ではCat5e以上で足りることが多いとされます
毎日決まった場所で仕事をする人ほど、有線接続の恩恵を受けやすくなります。
間取りと設置場所の影響
Wi-Fiの電波は、距離と壁・床で弱くなります。買い替えの前に、まず設置場所の見直しを試してください。
- 家の中心に近く、床から少し高い場所に置く
- 電子レンジなど電波に影響しやすい家電から離す
- 収納の中や金属製の棚の奥に置かない
中継機とメッシュWi-Fiの違い
設置場所を見直しても届かない部屋がある場合は、中継機かメッシュWi-Fiが選択肢になります。仕組みが異なるため、選び方も変わります。
- 中継機は、親機の電波を受けて先へ飛ばす仕組みです。1台から追加でき導入しやすい一方、中継を経由すると速度が下がりやすいとされています
- メッシュWi-Fiは、複数台が連携して1つのネットワークを作る仕組みです。家の中を移動しても、接続先が自動で切り替わります
届かない部屋が1つだけなら中継機、家全体で複数の端末を使うならメッシュWi-Fi、というのが一般的な使い分けです。間取りが原因のときは、高性能なルーター1台より効果が出やすいとされています。
モバイル回線で代用する場合の注意
固定回線を引かず、スマホのテザリングやホームルーターで在宅勤務をまかなう方法もあります。その場合は次の3点を確認してください。
- データ容量: ビデオ会議は1時間あたり数百MB程度のデータを使うとされ、画質設定によって増減します。契約プランの容量やテザリングの条件で足りるかを確認してください
- 安定性: モバイル回線は、時間帯や場所の影響を固定回線より受けやすい傾向があります。勤務時間帯に実際に試してから本格移行するのが無難です
- 生活圏の電波: 自宅の電波状況が前提になります。楽天モバイルを検討する場合は公式のエリアマップで自宅周辺を確認してください
モバイル回線代用と料金の仕組み(楽天モバイルの例)
データ利用量で月額が変わるプランでは、在宅勤務のデータ量が料金の段階を押し上げます。楽天モバイルのRakuten最強プランは、使ったデータ量で月額が変わる段階制です。2026年8月23日時点で、〜3GBは1,078円、3GB超〜20GBは2,178円、20GB超は3,278円(いずれも税込)です。
仮の計算例として、ビデオ会議が1時間あたり数百MBとすると、毎日数時間の会議がある働き方では月20GBを超えやすくなります。この場合は20GB超の段階(3,278円)を前提に、固定回線の月額と比べるのが現実的です。テザリングの利用条件と最新の料金は、公式の料金プランページで確認してください。
導入前チェックリスト
- 速度測定で「回線側」か「宅内」かを切り分ける
- 手持ちのPC・スマホが対応するWi-Fi規格を確認する
- 仕事用のPCを有線接続できるか確認する
- ルーターの設置場所を見直す
- モバイル回線で代用する場合、データ容量・安定性・電波状況を確認する
まとめ
在宅勤務の通信改善は「切り分け→設置場所の見直し→有線接続の検討→機器の買い替え」の順で考えると、無駄な買い物を減らせます。通信まわりの固定費を見直したい人は、毎月のスマホ料金の確認もあわせて読んでください。
参照情報
リンク先の内容は変更される場合があります。最終確認日: 2026年8月23日
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スマホ料金の見直しで最初に確認すべきは、プラン表ではなく自分の利用実績です。直近3カ月のデータ使用量・割引後の請求額・通話時間・端末代の残債・解約とMNPの費用の5項目を、順に確認する方法を整理します。
スマホ充電器を選ぶときに確認したい項目
充電器は出力W数・USB PD対応・ポート数と合計出力・PSEマークの4点を確認します。スマホ単体なら20〜30W、ノートPC兼用なら65W以上が一般的な目安です。手持ちのケーブルの規格も忘れずに確認しましょう。